今回の紹介本は、「幻坂」です。
【本書のあらすじ】
幼い頃、清水坂でよく遊んだ幼いヒナちゃん。不慮の事故で亡くなったヒナちゃんを偲んで、清水坂を通る人に語りかける。坂の傍らにはあのころと同じ、山茶花が咲いています。ーー「清水坂」
作家志望の美咲と愛染坂で会い、恋仲になるが、新作に苦悩する新進作家の私。いつしか二人の関係に亀裂が入り・・・。亡くなった美咲の四十九日に愛染坂で再び二人は会えるのか…切ない悲恋を描いた「愛染坂」。
七坂を舞台に歴史的因縁や文化的背景を織り交ぜながら、大阪の人々をリアルに叙情的に描いた傑作9編。
傑作と話題沸騰の、大阪で頓死したといわれる芭蕉の最期を怪談に昇華した「枯野」。怪談雑誌『幽』に連載された8篇に加え、難波の夕陽に心奪われた平安時代の歌人・藤原家隆の終焉の地となった「夕陽庵」を悠久の歴史とともに描いた書き下ろし傑作。
【内容の難易度】
★★★★☆(ちょっと難しいかも!)
ページ数:282ページ
9つの短編で構成されており、1つ1つの物語は短い。
ただ、一部大阪の歴史に触れた物語があり、その手の知識がないと内容が難しい場面も。。。
【ヨムヨム所感】
ジャンルとしてはホラー小説になるんですかね。ただ、 ホラーといっても全然怖くはなく、心温まるお話ばっかり。
個人的には天神坂というお話が好きでした。
どの話も大阪の情緒を感じさせてくれる内容で、実在する天王寺七坂を巡ってみたいなと思わせてくれる一冊でした。
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