今回の紹介本は、レモンと殺人鬼です。
【あらすじ】
第21回 『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作。
十年前、洋食屋を営んでいた父親が通り魔に殺されて以来、母親も失踪、それぞれ別の親戚に引き取られ、不遇をかこつ日々を送っていた小林姉妹。
しかし、妹の妃奈が遺体で発見されたことから、運命の輪は再び回りだす。
被害者であるはずの妃奈に、生前保険金殺人を行なっていたのではないかという疑惑がかけられるなか、
妹の潔白を信じる姉の美桜は、その疑いを晴らすべく行動を開始する。
【内容の難易度】
★★★☆☆
ページ数:320
ページ数的にはそこまで多くなく、そんなに文章も難しくなく、サクサク読める。
ただ、少し叙述トリック 的な部分があり、難しく感じるところがあるかも。
【ヨムヨム所感】
「このミステリーがすごい!」大賞の文庫グランプリ受賞作ということで、張り巡らされた伏線を必死に意識しながら物語を読み進めていったけど、全然推理が当たらなかった…。
始めはよくありそうと言えばよくありそうな物語だったんだけど、途中から登場人物の性格の歪みが見えてくるようになる。
結構みんな心の内に歪んだ気持ちを抱えていてちょっと感情移入が難しいような人もいた。
現実世界でも自分が気づいてないだけでこんな人達はいるのかなぁ。
このあたりの人間の性格描写が著者(くわがきあゆさん)の色なんだろうなぁと感じました。
あとは終盤にかけて、「???・・・!!!」となるような展開に。完全に騙されちゃいました。
最後が大どんでん返しすぎる。 というか、大どんでん返し返し返しぐらい。 ページ数もそこまで多くなくて読みやすい。その後どうなったのか、が気になる一冊。