今回の紹介本は、「アリアドネの声」です。
【本書のあらすじ】
巨大地震発生。地下に取り残された女性は、目が見えず、耳も聞こえない。
光も音も届かない絶対的迷宮。
生還不能まで6時間。
想像の限界を超えるどんでん返し。
救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、街のアイドル(象徴)して活動する中川博美だった――。
崩落と浸水で救助隊の侵入は不可能。およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれてしまう。ハルオは一台のドローンを使って、目も耳も利かない中川をシェルターへ誘導するという前代未聞のミッションに挑む。
【内容の難易度】
★★☆☆☆(読みやすい!)
ページ数:304ページ
文字サイズが大きく、そこまで量が多く感じない。サクサク読める。
内容も、ドローンの話なのでたまに専門用語が出てくるが、本筋は非常にシンプルで分かりやすい。
【ヨムヨム所感】
まず、世界観からワクワクする。舞台はスマートシティということで、配送などもほぼドローンがやってくれている世界。快適そう。
あらすじにもあるように、地下に取り残された盲ろう(目が見えず耳も聞こえない)の女性を安全なシェルターまで案内する必要があるのだが、人が助けに行けるような通路がなく、主人公たちはその女性をドローンで案内することになる。
盲ろうの人をどうやってドローンで案内するの!?と思った方は是非とも本書を読んでみてほしい。主人公たち救助チームが作中で必死に頭を悩ませて作戦を練っている。
本書を通して、盲ろうがどれだけ孤独な世界かがすごく身に沁みた。
あとは、月並みな言葉だけど、やっぱり諦めないということはすごく大事。
終始ハラハラドキドキしながら読み進む快感。
とても美しい物語だった。
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